Cola Dissolution Therapy via Ileus Tube Was Effective for Ileus Secondary to Small Bowel Obstruction Induced by an Enterolith

Abstract

An 87-year-old bedridden woman developed intestinal obstruction caused by an enterolith or bezoar. Since the patient refused surgery, we administered 1,000 mL/day of cola via an ileus tube to dissolve the stone. Occlusion of the small intestine disappeared on day 6. The excreted stones contained calcium phosphate, which is typical of enteroliths. We later confirmed that the retrieved stones could be dissolved in cola (Coca-ColaⓇ, pH 1.9) as well as 0.10 and 0.010 mol/L hydrochloric acid (pH 1.0 and 2.0, respectively) and food-grade vinegar (pH 2.6). These findings suggest that the enteroliths were dissolved by an acid-base reaction.

Enterolith Treated with a Combination of Double-Balloon Endoscopy and Cola Dissolution Therapy

“…Further, cola dissolution therapy was reported as useful for an enterolith [ 17 , 18 ]. A possible explanation among its properties for dissolution is that cola undergoes an acid–base reaction with an enterolith.…”

“…The benefit of using DBE for the treatment of enteroliths is that the risk of treatment complications is relatively lower than with surgery. Further, cola has been used to treat enteroliths [ 17 , 18 ]. Cola dissolution therapy has been useful for softening enteroliths and is simpler than surgery.…”

経肛門イレウス管を介したコーラ溶解療法で治療した糞便性イレウスの1例(A case of obstructive colitis treated with Cola dissolution therapy administered via a transanal ileus tube)

“…胃石に対する内科的治療として2002年にLadasら 5)が胃洗浄によるコーラ溶解療法を最初に報告し，以降胃石に対するコーラ溶解療法の有用性が多数報告されている 6)。胃石の約半数がコーラ溶解療法単独で治癒し，内視鏡的破砕術と組み合わせることで90%以上で治療可能とされる 7)。コーラにより胃石が溶解される機序としては炭酸およびリン酸を含有するコーラがpH 2.6と酸性であり胃液のpHと近いためとする報告や，二酸化炭素の細かな気泡が胃石表面の微細な凹凸に浸透し繊維質結合を軟化させていると推測する報告がある 5), 8)。排出された胃石においての検討では，炭酸水で溶解せずコカ・コーラ ® で溶解したとの報告 9)がある。また主成分が同等と思われるペプシコーラNEXZERO ® 10) ，コカ・コーラ・ライト ® やコカ・コーラ・ゼロ ® でも同様の治療効果が報告されている 5)。…”

“…しかしながら糞石による大腸閉塞に対してコーラ溶解療法が施行された報告は少なく，その有用性に対する十分な見解は得られていない。糞石に対して内視鏡的にコーラを散布または局注針にて糞石に注入し治療した症例 11), 12)や，小腸での腸石によるイレウスに対して経口イレウス管を介したコーラ溶解療法が有効であったとの報告 9), 13)がなされており，これらを参照し，コーラ溶解療法を行った。前述の治療プロトコルは病態の類似性からKomakiら 9)の報告に則した。治療効果に関しては，コーラ溶解療法後に排泄された糞便をCT画像（矢状断）と対比すると（Fig. 4），長径が約7cmから6cm，最大横径が約5cmから4cmと縮小していたことからコーラ溶解療法により糞石の縮小が得られたと考えた。実際に排出された糞便を触れると内部は固いが，表面はねっとりとし柔らかく，外層部分は比較的疎でコーラが浸透しやすく，胃石と同様の機序で繊維質結合を軟化したと考えられた。また，糞石のあった場所が脾弯曲であり大腸の中でも液体が貯留しやすい部位にあり，糞石がコーラに十分曝露できたことも要因として想定され，S状結腸や直腸では液体が溜まりにくく治療効果が劣る可能性も考えられた。本例では単回の投与で効果が得られたが，経肛門イレウス管は口側腸管の減圧のみならず閉塞起点の評価や治療反復においても有用であると思われた。一方，コーラ注入によるリスクとしては炭酸による粘膜障害や二酸化炭素産生による腸管内圧上昇などが考えられ，とくに大腸炎急性期での腸管内圧上昇は大腸穿孔やbacterial translocationを来し敗血症の悪化を招く可能性があると考えられ注意が必要である。本例においては，大腸炎急性期を脱したタイミングで，広域抗菌薬を投与継続しつつ，イレウス管にて排液・減圧できる体制を整え実施することでリスク回避に努めた。…”