Ruptured Internal Carotid Artery Pseudoaneurysm 10 Years after Cervical Spine Surgery

Abstract

An iatrogenic internal carotid artery (ICA) pseudoaneurysm is an extremely rare complication of cervical spine surgery. Here we report an extraordinary case of massive hematemesis due to a ruptured ICA pseudoaneurysm caused by the laminoplasty plate 10 years after cervical spine surgery. Computed tomography angiography revealed a ruptured 4×10-mm left extracranial ICA pseudoaneurysm probably connected to the pharynx. Emergent surgery was performed because of the uncontrolled massive bleeding. After complete resection of the injured segment, an interposition graft with a 6-mm polytetrafluoroethylene graft was placed and the fistula tract to the pharynx was repaired.

超急性期に血管内治療を行った巨大総頸動脈仮性動脈瘤破裂の1例(Urgent endovascular treatment of a huge ruptured common carotid artery pseudoaneurysm: a case report)

“…総頸動脈仮性動脈瘤（common carotid artery pseudoaneurysm: CCAPa）は，外傷が原因で発症することが多く 1)，頸部の拍動性腫瘤，神経圧迫による神経学的欠損，虚血症状の塞栓源 2), 3)などによって発見される。破裂に至ると致死的となるため，治療することが推奨される 2), 4)。治療には，仮性動脈瘤切除と動脈再建 5)，グラフトを使用した動脈再建術 6), 7)などの外科手術と，コイルによる母血管閉塞術，ステント支援コイル塞栓術 8)，covered stentを用いた動脈再建術 9)などの血管内治療があり，各症例に応じた治療計画で行われる。今回，気道狭窄からショックを呈したCCAPa破裂に対して，迅速な初期治療により安定化を行い，活動性出血のある仮性動脈瘤に，コイルによる総頸動脈（common carotid artery: CCA）閉塞を行った。これら一連の治療には，当該専門科の連携が極めて重要と考えられる。当該専門科による脳循環維持に重要かつ迅速な初期治療と超急性期における血管内治療の有効性と問題点について報告する。…”

“…頸動脈仮性動脈瘤は，頸動脈系である頭蓋外内頸動脈，外頸動脈 10)，総頸動脈のいずれにも発生しうる。原因は，外傷性が多く，刺創や鈍的外傷で起こることが多い。医原性（中心静脈カテーテル留置），感染，血管炎，悪性腫瘍，放射線治療後，頸部の手術なども原因となる。本例は，発症直前まで拍動性腫瘤の自覚や他覚所見は認めず，頸部への直接的外傷はなかった。また，感染兆候（発熱，頸部の創部感染）はなく，術後に行った血液培養検査でも菌検出はなかった。Simsekらは，頸椎手術10年後の破裂頸動脈仮性動脈瘤を報告しており 6)，本例も，頸椎手術時の操作が血管壁損傷の原因となった可能性がある。…”

“…治療には，外科手術としては，順行性脳血流が温存可能な仮性動脈瘤切除と動脈再建 5)，グラフトを使用した動脈再建術 6), 7)，または頸動脈閉塞術がある。血管内治療としては，コイルによる母血管塞栓術，ステント支援による仮性動脈瘤コイル塞栓術 8)がある。未破裂仮性動脈瘤として顕在化した時点では，各症例に応じたtailor–madeな治療が可能である。一般的には，順行性脳血流の温存を目的として，外科手術が選択される。ステント支援によるコイル塞栓術も順行性脳血流の温存が目的であるが，そのステント使用は保険適応ではない。母血管閉塞である頸動脈閉塞術は，側副血行路に問題なければ選択肢となるが，その場合は，コイルによる母血管閉塞が低侵襲である。しかし，破裂で発症し，気道閉塞に至る例では，脳循環維持を目的とした全身状態を安定化させる初期治療に重点を置きつつ，破裂仮性動脈瘤に対する治療につなげ，その治療を完遂する必要がある。そのため，非侵襲的で，治療完遂までに時間を要しない限定的な治療となる可能性が高い。…”