Relationship between obesity and the engineering profession

Abstract

ている 5) 。 エンジニアは勤務中の肉体的活動が少なく、座位 での仕事が多くなり、食生活も不規則になる傾向が ある 6) 。その結果、エンジニアは肥満になりやすい との報告が最近なされている 6-8) 。わが国の30歳代の エンジニアの調査でも、エンジニアは肥満が多いと 報告され「メタボエンジニア」との造語も報告され ている 9) 。しかし、これらの研究・調査はエンジニ アの断面調査なので、職業としてエンジニアになっ てから肥満になったのか、エンジニアの職に就く前 にすでに肥満であったのか明らかでない。本研究の 目的はエンジニアとして就職する新入社員(エンジ ニア予備群)の入社時健診を詳細に調査し、入社前 からすでに肥満を有しているのか否かを調査した。 勤労者の肥満は心・脳血管疾患、筋骨格疾患、悪 性腫瘍などを発生させるのみならず、離職や欠勤に 伴う社会的コストの損失も莫大な額になる 1, 2) 。その 為社員の健康を重要な資産とみなす健康経営の考え 方も出始めてきた。 肥満は仕事上の身体活動の多寡と強く関連すると 言われている。多くの研究によると毎日の勤務中に おける肉体的、生理的活動は消費エネルギーと連動 し、勤務中に肉体的活動が少なく座位が多い職業は 肥満になりやすく 3, 4) 、肥満は職業習慣病ともいわれ 11 抄 録 最近特定の職業と肥満の関連が指摘され、職業習慣病という言葉も聞かれている。エンジニアはパーソナルコ ンピュターなどの使用時間が長く、肉体的活動が少なく、不規則な生活、職場のストレスなどにより肥満が多い と報告されている。これらの研究は断面調査なので、エンジニアという職業が肥満を引き起こすのか、エンジニ アを目指す若者がすでに肥満なのか明らかでない。そこでエンジニア会社の入社時健診を解析することにより既 に肥満が入社前より存在しているか検討した。対象はエンジニア関連会社に平成27年度に入社する20歳代の男 性(エンジニア予備軍)179人で、平成26年度国民健康・栄養調査(国民調査)から同年代の男性257名、およ