“…) 。さらに現代人では,橈骨/上腕骨 長(brachial index)と脛骨/大腿骨長(crural index)と いう上・下肢の遠位/近位骨長比が,寒冷地より温暖地 域の集団で大きくなる傾向が示されており,これらがア レンの法則のもう 1 つの指標になると考えられてきた (Trinkaus, 1981;Holliday, 1995;Holliday and Hilton, 2010 Yamaguchi, 1982Yamaguchi, , 1989Kato and Ogata, 1989;Wada and Motomura, 2000;土肥ら, 2000;瀧 川,2005, 2006Temple et al, 2008Temple and Matsumura, 2011;Fukase et al, 2012;Kudaka et al, (Suzuki, 1969;鈴木,1998;Yamaguchi, 1982;Hanihara, 1991 (Yamaguchi, 1989;Kato and Ogata, 1989)とは相容れない 仮説を提唱している。 このように従来の解釈は混沌としているが,より厳密 にアレンの法則に沿って体形を評価するためには,四肢 内プロポーションではなく,胴体と四肢のプロポーショ ンを調査する必要がある (Ruff, 1991(Ruff, , 1994(Ruff, , 2002Holliday, 1997a, b) 。実際に, 胴幅(骨盤最大幅)や胴長(脊椎高) をパラメータとした四肢:胴体比は,四肢骨長比よりも 異なる気候帯に属する集団をよく分離することが示され ているが (Holliday, 1995;Holliday and Hilton, 2010 Haninara, 1991;Dodo and Ishida, 1990;Nakahashi, 1993;Matsumura, 1994 …”