<b>Medical Guidance by Nurses for Hyperuricemic and Gouty Patients</b>

Abstract

要 約 当院で高尿酸血症・痛風の内服治療を行ってい る患者 208 名に対して，Ⅰ服薬，Ⅱ治療，Ⅲ食事 に関しての 3 項目，各項目 5 問ずつ，合計 15 問の アンケート調査を行った．管理栄養士が個別に 3 回シリーズで指導しているためか，Ⅲの食事につ いての正解率は全体で 88.1% と他の項目に比べて 最も高かった．Ⅰの服薬については全体正解率が 57.2% と 3 項目中で最も低く，中でも看護師によ る指導の行われていない飲食後の服薬の是非につ いての正解率が 30～40％と低かった．Ⅱの治療 については全体の正解率は 67.8% であったが，血 清尿酸値と尿 pH の治療目標値についての設問が 看護師による指導は行われていたが，正解率 20 ～40％と低い結果であった．3 項目について正解 率の違いを治療期間別と年齢別で検討してみた が，通院 1 年未満の患者でⅠの服薬の正解率が低 く，70 歳代の患者でⅠの服薬とⅡの治療につい ての正解率が低い傾向にあったが，いずれも有意 な違いではなかった．高尿酸血症・痛風の治療は 生涯にわたって継続すべきものであり，良好な治 療を継続する上では，医療スタッフによる繰り返 しの指導が必要であると考えられた．今回のアン ケート結果を参考に患者指導の内容や時期などを 改良した新しい指導計画案を作成した．これをも とに，患者の生活習慣の改善と服薬アドヒアラン ス向上につなげていきたい． 緒 言 高尿酸血症・痛風は生涯にわたって継続した治 療が必要なことが多いことから 1) ，生活習慣の改 善と服薬アドヒアランス向上のためには適切な患 者指導が重要である．当院では高尿酸血症・痛風 を主訴に受診した患者に対してクリアランス検査 を実施しており，同じ日に検査の空き時間を利用 して管理栄養士による食事指導を併せて実施して いる．管理栄養士による食事指導は治療開始後も 実施され，クリアランス検査時から連続 3 回行わ れている．さらに経過中には主に採血時に看護師 による患者指導を独自に作成した資料や製薬会社 が作成している資料などを利用して適宜実施して いる (表 1) ．このような指導を行っている中で， 治療に関する知識が誤っていることや尿酸降下薬 の服用方法について正しく理解されていない患者 がいると感ずることが少なからずあった． そこで， 管理栄養士と看護師が行っている患者指導が患者 にどこまで理解されているかを調査して，今後の 指導内容や指導時期の見直しを行うこととした． 高尿酸血症・痛風患者への看護師による指導について戸谷 洋子 1) 大山 博司 1) 千田 恵 1) 宰務 春佳 1) 横関美枝子 1) 諸見里 仁 1) 大山 恵子 2) 内田 広康 2) 高木 宜史 3) 藤森 新 4) 受付：2018年6月27日，受理：2018年8月2日 1)両国東口クリニック