volume 11, issue 0, P55-69 2014
DOI: 10.3392/sociotechnica.11.55
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今善 金

Abstract: 方通行の仕組みで,行政があくまで住民の意見を参考に するという点で間接的であることは否めない 16) . しかも, 新潟県巻町での原子力発電所建設の是非に関する住民投 票を皮切りに,近年住民の直接投票も行われているが, これは官僚があらかじめ設定した選択肢への意思表示に すぎず,官僚の施策を実施する上で起きうる問題を回避 するうえでのみ有効な手段に過ぎない.したがって,本 質的な問題解決には至らず,仮に解決がなされたとして も,それは迷惑施設の設置をめぐるアクター間の「権力 格差」とそれに伴う行政側への利益誘導の強化の反映で しかないだろう. こうした背景から,近年,ごみ焼却施設や道路など大 規模な公共施設の立地・建設をめぐって展開される対 立・競合する諸利益の調整過程においては,多様な発議 に公益を求めながら,政策過程への一般住民ないしはス テークホルダーの参加と協働,討議の過程を通じた紛争 管理が求められるようになった. しかし,日本において用地選定の段階から住民参加を 進めることにより施設建設に至った事例は極めて少ない. しかも,先行研究が薦める住民参加手法によって事業者 が選定した場所が立地地域住民にすんな…

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